秘密の言葉
____今年の初雪は、本当に素晴らしい物だった。
そして今年の冬は、絶好調のスタートで始まった。

「水樹、いつもありがとね」

私は、恵美の妹ちゃんのお話を聞いてから、学校に行く前にお寺に寄っている。
そして恵美と一緒に登校している。

「ううん、むしろこうやって恵美と一緒に学校行けるからいいっ!」

私も、昔のことを言おうと思った。
だけど、言わなかった。
言わなかったっていうより、今はきっと言い時じゃなかったから。
でもいつかは、言おうと思う。

「水樹、今年のクリスマス誰と過ごすの?」

「うーん、やっぱりお母さんとかな、恵美は?」

「私は、家族みんなで過ごすよ!」

家族"皆"か。
お父さんがいない事に不満を持った事はないけど、少しは羨ましい気持ちもある。
でも家に女2人っていうのも、悪くは無い。
女同士なりに、色んな話が出来るしね?

「今日は帰ったら、クリスマスの準備でもいようかなー?」

「えっ、水樹気が早いよ!まだ2週間あるじゃん」

「あっという間だよ!今年は色々特別な年だったから、盛大にしたいし」

お母さんに内緒で、ケーキ作ってあげようかな。
プレゼント、何にしよう。
エプロン作ってあげようかな…。
大好きなお母さん、唯一の血の繋がった家族だから。
思い出に残る、最高の日にしたい。
< 36 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop