秘密の言葉
「さあ、まずはクリームを…」

それから少しして、ケーキを作り始めた。
お母さんは、慣れた手つきで器用に作業を進めていく。
それに比べ、私はすごくおどおどしてる。
何かお母さんに手伝ってもらってばかっりで、これなら私がやらない方がスムーズにできる様な気がする。

「ここをこうすると、クリームが均等に塗れるわ。やってみる?」

「…うん」

私が不安げな顔をすると、お母さんは手を添えて教えてくれた。
すると、自分でもちょっとずつ出来るようになった。

「よし、じゃあ飾り付けは花のセンスでやってね?」

飾り付けなら、私でも出来そう。
フルーツと、クリームと、チョコと。
自分好みに、飾り付けていく。
そういえば、白のペンチョコはこの長方形のチョコに文字を書くのだろうか。
やっぱり、メリークリスマス?
いいや、やっぱり『Happy Merry Christmas』とかの方がいいかな?
でも、私に任せるって事は…好きな事書いていいんだよね。

「うん、今はこれが1番」

私は、今の思いを綴ったチョコを、クリスマスケーキの上へ乗せた。

「できたら持ってきてー?」

「あのさ、ケーキ後で食べよ!それまで閉まっとくから…」

一瞬、驚いたようにも見えたけど、すぐに笑って『ちゃんと保冷しといて』と許可してくれた。
だって"ああいうメッセージ"って、最初より最後の方がいいじゃん。
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