秘密の言葉
「転校生、可愛かった!」

今日はそれにしても気分がいい。
まあ、ちょっと辛い一瞬もあった。
昔の事、あの子は覚えてるのかな?
名前も知らない、あの男の子。

「ねえ…」

背筋に寒気が走って、ザッと後ろを振り向くと、水木君がいた。

「あっビックリした…。家こっちなんだ!しらなかった」

「僕も転校生だよ。でも皆には言わないでね?」

「え?でもそれ可笑しいよ。転校生を気づかないなんて…」

「お願い。僕は皆に気づかれたくないんだ」

謎めいた君は、ちょっと悲しそう。
何かを抱えている様というか、わからないけど、きっとそんな感じ。

「僕と友達になってよ!」

ああ、本当に今日はツイてる。
2人の転校生に、友達になってって言われてしまった!

「え?嬉しい!ありがとう!よろしくね」

「うん、よろしく!」

ちょっぴりほっぺ赤くない?
まあ、友達できて、本当によかった。
しかも転校生、ありがとう神様!
< 5 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop