秘密の言葉
「水樹、やらないの?」

「うん、もう疲れたー」

嘘、もう全然疲れてない。
でも皆が楽しそうな姿見てると…
『自分も一緒にやりたいな』
じゃなくて…
『楽しそう、皆仲良しだね〜』
って、こう…傍観者って言うのが1番当てはまるのかな?

「これからさ、こうやってまた皆で遊ぶ事増やそうよ?クラス変わった時、誰か仲の良いと一緒になったら安心できるじゃん?それが1人でも多かったら、そうなる確率も増えるし!」

「私は恵美と同じクラスになれたらじゅーぶんっ!」

恵美は、クラスが離れても仲良くしたい。
こう考えてると、もう残り2ヶ月くらいか。
なんか早いもんだな、1年って。

「クラス離れても、一緒に学校行こう?」

「うん、その頃には私も恵美も彼氏いるかな?」

「あー…どうだろうな」

と、恵美は難しい顔をした。
でも、きっと恵美ならあっという間にできるだろうな。
私は、彼氏は…よくわかんない。

「まあまあ、私達は『今を生きる女』にならなきゃ!」

「えー!何かカッコイイっ」

「って、お母さんが言ってた」

「あー、もうそういうのは敢えて言わない!」

春になる前に、恵美に言わなきゃ。
嘘をついて、同じ過ちを繰り返さない様に。
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