秘密の言葉
「それでも何と無く、そんな気がするっ」

何か、気が緩んでしまった。
まさかの連続で、本当に驚いてる。
驚かれるとか、笑われるとかじゃなかった。
逆に羨ましがられた。

「でもね、もう一つ話があるんだけど…それはまた明日」

「うん、もう学校着いちゃったしね」

とにかく話せてよかった。
聞いてくれて、よかった。
あとは、水木君の事を話さなきゃ。
今度はちゃんと話そう、恵美を信じて。
そして私も、ちゃんと恵美の意見を聞こう。
前の時は、お互いにお互いの話に聞く耳を持っていなかった。
だから今回はちゃんと、話し合おう。

「おはよう、恵美と水樹!」

「おはよー!」

恵美が友達の元へ行くと、私は挨拶だけ返して教科書などを片付ける。

「おはよう、花」

「……水木、君?」

「あけましておめでとう。今年もよろしくね?」

「うっ…うん、よろしく!」

すごく、嬉しい。
まさか水木君が来ると思わなかった。
___ガタッ

「今日は花に会いたかっただけだから。バイバイ」

「バイバイ…」

もう、帰っちゃった。
でも"会いたかった"っていうのは、少し嬉しかった。
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