秘密の言葉
「実際、存在してないとかじゃなくて…ただ学校にいるのはおかしいって事」

「じゃあ…あの制服は!」

「…私が知りたい。たまたま学校名簿を見て、この事に気がついたの。無い訳ないって思ってたのに」

じゃあ、どうしてクラスに?
生徒じゃない人がいたら、皆気付くよ普通。
私がおかしかった。
どうして気づかなかったんだろう。
私、生徒じゃない人が学校にいるのに、放置したって事?

「じゃあ私、学校関係者でも何でもない人を野放しにしたの?」

「ううん、それは違う!絶対に違う」

「でも言ってくれてありがとう。後は直接本人に話してみるよ」

『そっか』と、手をポケットにしまった。
今日は、来ているだろうか…。
今日も、休みだろうか…。
水木君、単位とか大丈夫なのだろうか。
進学がそもそも厳しんじゃないかな?
まあ、余計なお世話か…。
でもまずは会わなきゃ。
まだ、私は春を迎えられない。
会って、ちゃんと聞かなきゃ…。
別れを告げる事すら出来なくなる…。
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