空も飛べるはず【短】


もしかして、こんな地味でさえないあたしと関わりがあると思われるのが、迷惑なのかな?


「ごめんなさい」


あたしは泣きそうになる。


するときみは焦ったような顔をした。


「な、なんで謝るんだよ。別に責めてねーのに」

「だって……」

「あのなあ、お前がなんで泣きそうなのか知らないけど、俺はただ、あいつらにお前のこと知られたくなかっただけ」


それって、どういう意味?


わからなくてうつむいたままのあたしのアゴを、きみは壁ドンしたまま片手で持ち上げる。


あたしは緊張して、膝が震えるのを感じた。


一体何がどうして、こんな状態になっているのかわからない。


「お前さ、自分が認知度低いの知ってる?」


きみが言う。


知ってます。チビで、地味だもん。


「だからさ、そのまま認知度上げないでほしいんだよ。

お前が可愛いって知ってるのは、俺だけでいいんだ」


「…………え」


か、か、か……可愛い!?


きみの口から出た言葉が信じられなくて、出かかっていた涙が引っ込んだ。


「……いま、怖い?」


今にも触れてしまいそうな距離で、きみがささやく。




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