【短】隣の部活のアイツ
「……いってくる。」
そうして一度も振り返らず体育館の中へと消えていった池谷の大きな背中からは
エースでありキャプテンとしての強い意志が見えた。
いつのまにこんなに大人の男になったのだろう?
私の最初の記憶は……
中学一年の初々しい、
まだ小さくて……
緊張でガチガチになっていた少年だったというのに……
二年半が経ち、
こうも違うものなのか……
チームという重荷を背負ってきた池谷の目の前の背中からは
気迫さえ感じる。