蜂蜜
ずっと身体に当たる水滴が気になって、僕は上を向いた。

でも上には何もなくて、不気味な灰色のモクモクした煙りみたいな物に包まれている。

冷たくて、身体を震わせて水滴を何度も飛ばす。

でも、やっぱり僕は冷たいまま。

僕は倒れた部屋に入り、中にチョコンと座る。

倒れたお陰で、壁は屋根がわりになり水滴が直接は当たらなくなった。

僕は誰なんだろう?

僕は何で此処にいるんだろう?

ブルブル震えて何度も水滴を飛ばすが、濡れた身体は熱を奪う。

寒いな・・・。

寂しいな・・・。

生い茂る緑のチクチクした物から、ポタリポタリと水滴が流れる。

透き通るような緑に、透明に輝く水の粒はまるで泣いているみたいに見えた。
< 2 / 7 >

この作品をシェア

pagetop