蜂蜜
これが、僕が最初に見た世界。

何も解らない。

何も知らない。

だから僕はその場に丸まる事しか出来なかった。

ジメジメする独特の臭いが、僕の中に寂しさを呼び寄せる・・・。

もう・・・眠ってしまおう。

きっと目を覚ましたら、寂しさも消えるはずだよね・・・?

そして僕は、ゆっくり目を閉じる。

目を開けた時、この寂しさが消えていますようにと願いながら・・・。






「・・・ねえ・・・?どう・・・の?・・・・ねえ・・・」


あれからどれくらい時間が立ったのかは解らない。

僕は身体がユサユサ揺れる感覚と、誰かの声で目を覚ました。


「ねえ・・・捨てられたの?寒くないの?」


ゆっくり目を開けると・・・。

僕をジーッと見つめる、人間の女の子がそこにいた。
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