love
なんだかんだでバイト終了。
あがる時間は橘さんと一緒だった。
「お疲れ様でした」
「おつかれ」
「...」
「...」
いつもこんな感じ。会話は続かない。
でも今日は頑張ってみて、
「橘さんて、家どの辺りなんですか?」
あれ…
橘さん、驚いてる?
私、変なこと聞いたかな?
「俺はそこの病院の隣だよ」
「え、私、病院の近くなんですよ!ご近所さんなんですね♪知らなかった~」
「...」
会話が続かない。
頑張れ私!
「じゃあ、智くんっていう男の人知りません?」
「...」
「幼稚園くらいのとき、近くの公園でよく遊んでたんですよ。だけど、どこに住んでるのかしらなくて…。この近くだと思うんですけど、それっきりで。」
「その人がどうしたの?」
え、
...橘さんがあまりにも真剣な目で私を見つめるから、少し緊張した。
私に興味ないと思ってたから質問されるなんて…
「あ、いや、私の初恋の人なんです。知ってるかなぁって思って。」
「そっか。」
...やっぱり会話終了なんですね。
でも、橘さんとバイト一緒になるときが多いから仲良くなりたい!
そんな思いもむなしく、二人で店の外へ。
あー…今日もだめだった。
「お疲れ様でした」
そう言って私は家に向かった。