偽物の恋
隣の席の人
私の名前は藤堂莉麻。
凪河高校に通う高校1年生。
『莉麻〜早くしなきゃ遅刻するわよ〜』
一階からお母さんがそう言った。
『えっ⁉もう8時15分⁉やばい!』
私は焦りながら制服を着て朝ご飯は食べずに学校へ向かった。
私の家から学校までは15分あれば着くのだが寝坊したので走って学校に着いた。
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なんとか学校に着くと同じクラスで親友の工藤真綾がニヤニヤしながら私を見ていた。
『真綾、何ニヤニヤしてんのさぁ〜』
真綾は私の前の席にいる。なので私はそう言った。
『別に〜莉麻、今日は遅かったじゃんー寝坊?」
『ゔーまぁ、寝坊…』
私は言い返せなかったので素直に頷いた。
真綾は私がそう言うと大笑いしていた。
すると、先生が入ってきた。
『静かにしろーHR始めるぞ〜』
という先生の言葉により静かになったクラス。
HRはやたら長かった。
HRが終わり、授業が始まる。
私は真面目に授業を受けていた。
だが、ふと目を私の右隣に向けると、相変わらずの空席があった。
『…今日もいない』
私は毎回の事なので特に気にしなかった。
右隣の席の人の名前は余り覚えていなかった。
毎回、一度クラスに来てはすぐに出て行く人だからだ。
名前すら記憶に無い人だが、私はその人が嫌いだった。
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授業が終わり昼休みになると前の席にいる真綾が
『莉麻、屋上いこっ!』
と誘って来た。
私達はいつも屋上で昼ご飯を食べている。
この学校には食堂があるが私達二人はお弁当な為、ほとんど屋上や教室で食べている
『今日も授業出てないね、神沢くん』
『神沢くん?誰それ』
私は真綾が言った人はが誰だか分からなくてそう聞く
『莉麻、あんたそれ本気で言ってるの?神沢くんったら入学してからずっと人気があるのに⁈それに、莉麻の隣の席だってのにさ』
と、真綾が教えてくれた。
『へー、隣の席の人神沢くんって言うんだ〜』
私は興味なさげにそう言った。
それからしばらく二人で話しながらお弁当を食べてるとチャイムが鳴ったので急いで教室に戻った。
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教室に戻ると隣の席に誰かが座っていた。
見覚えの無い人だった。
だが、クラスの女子はその人をずっと見ていた。
『真綾、誰?あの人』
『あれが、神沢玲斗だよ。莉麻の隣の席の』
『そうなんだー』
私は特に気にもせず席に着いた。
すると、隣の席から視線がした。
ふと、隣をみると神沢くんが私の事を見ていた。
だが、私は気にせずに前の席の真綾に話しかけた。