澪ちゃん恋をする


「葉月」



澪があたしの右手をギュッと握って、優しくあたしの名前を呼んだ。



「澪…」



なんかあたしの声、弱弱しい。

先輩が絡むと、なんでこんなに気が弱くなっちゃうんだろう。



「葉月、落ち着いて。憧れの先輩がいて、緊張するのもわかるけど、そんなんじゃ話せないぞ」



澪が笑いながら左手であたしの鼻にデコピンをした。

ちょっと強すぎて痛かったことは言わないでおこう。

でもなぜだろう。

澪に触れてもらうとなんだか安心するんだよね。



「ありがとう。澪」



そう言うと澪はニコッと笑った。

もう1度先輩を見たら目が合った気がしてすぐに下を向いた。

その時先輩を呼ぶ声がした。

< 105 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop