澪ちゃん恋をする


「あ、あの!高岡先輩…ですよね?」



あたしがそう聞くと先輩も自分の名前を言いながら頭をさげた。



「うん、2年3組の高岡圭です。てか俺の名前知ってたんだ」



ちょっとしまったと思った。

これじゃ先輩に気がありますよ~って言っているもんじゃないか!!



「あ、いえ…今日料理部で吉井先輩に聞いたんです」



「吉井?あぁ、仁菜ね。あれ?澪ちゃん料理部?」



「はい!」



「そっか!俺今日、料理部行ったけど全然気づかなかったよ」



そう言ったのを聞いてあたしはカバンの中にクッキーが入っていることを思い出した。

あ、そうだ!!



「あの、先輩は甘いもの好きですか?」



今日料理部にもらいに来てたから嫌いではないだろうけど…。

あたしの勝手な妄想、チョコはビターじゃなきゃ食べませんって顔してる。

そんなことを考えていると先輩はにぃっと笑った。



「俺甘いものちょー好きだよ!」



その笑顔にあたしの心臓はまたもやドキドキした。

< 113 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop