澪ちゃん恋をする
「あ、あの!高岡先輩…ですよね?」
あたしがそう聞くと先輩も自分の名前を言いながら頭をさげた。
「うん、2年3組の高岡圭です。てか俺の名前知ってたんだ」
ちょっとしまったと思った。
これじゃ先輩に気がありますよ~って言っているもんじゃないか!!
「あ、いえ…今日料理部で吉井先輩に聞いたんです」
「吉井?あぁ、仁菜ね。あれ?澪ちゃん料理部?」
「はい!」
「そっか!俺今日、料理部行ったけど全然気づかなかったよ」
そう言ったのを聞いてあたしはカバンの中にクッキーが入っていることを思い出した。
あ、そうだ!!
「あの、先輩は甘いもの好きですか?」
今日料理部にもらいに来てたから嫌いではないだろうけど…。
あたしの勝手な妄想、チョコはビターじゃなきゃ食べませんって顔してる。
そんなことを考えていると先輩はにぃっと笑った。
「俺甘いものちょー好きだよ!」
その笑顔にあたしの心臓はまたもやドキドキした。