澪ちゃん恋をする
「はぁはぁ。に、逃げてしまった…」
あたしはフェンスに手をかけて上がった息を整えていた。
逃げたらまずかったかな?
いや、でもあのままあそこにはいれないでしょ。
そんなことを思っていると、後ろから足音が聞こえた。
「み、澪ちゃん…はぁはぁ」
振り返ると屋上のドアのところに高岡先輩がいた。
かなり息切れしているけど。
「せ、先輩…」
「逃げないでよ…てか、足速いね」
そう言いながらあたしに近づいてきた。
き、気まずい…
「すいません。あんなトコに居合わせてしまって…。あの、吉井先輩は…」
あれからすぐに追いかけ来たみたいだけど、吉井先輩はどうしたのかな?
そう思っていると高岡先輩が口を開いた。