澪ちゃん恋をする


「よう!」



「あっ圭…ってどうしたの!?その髪!!」



中学1年の夏休み、圭の髪が金髪になったときには驚いた。

たしかに、中学になって不良っぽい子たちと仲が良さそうなのは知っていたが。



「へへっ、どうだ?似合うだろ?」



「う、うん。ビックリしたけど…似合うね」



それから圭はどんどん不良っぽくなっていった。

まぁ、好きなサッカーだけは真面目にやっていて、部活にもちゃんと出てたけど。

でも、遅刻はするし、授業は出ないし、喧嘩はするし、かなりの問題児だった。

中3になった私は、先生と親の進めで立花高校を受験することになった。

将来はお医者さんに。

小さい頃からの夢だったし、最近親しかった人を病気で亡くした。

そういうこともあったからか、私は迷うことなく立花を受験することに決めた。

でも立花はかなり頭がよくないと入れない。

圭と同じ高校はムリだろうと思っていた。



「仁菜!」



後ろから名前を呼ばれた。

この声、すぐにわかる。



「圭」



振り返ってまたもや驚いた。



「どっどうしたの!?」



なんと、圭の金髪の髪が、真っ黒に染まっていた。



「受験のために…な」



恥ずかしそうに前髪をいじりながら答えた。

一応高校には行くつもりなんだなと思った。

< 134 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop