澪ちゃん恋をする
圭は渡さない 【仁菜side】
「圭」
卒業式が終わった後、一人でグランドを見つめていた圭に私は声をかけた。
「あぁ、仁菜か」
「こんなとこで一人でなにやってるの?」
いつもはあんなうるさい圭が、なぜか一人でいた。
神様が私に味方してくれているように。
私は圭の隣に並んだ。
「いや…なんとなく、な」
「はは~ん、寂しいんだ」
「ん~まぁ、そうかな。3年も通った学校だもんな」
「よく言うよ。半分以上はやんちゃしてたじゃん」
そう言うと圭はムスっとした顔をして私の頭を叩いた。
「いった~!なにするの!」
「今のは仁菜が悪い」
そして私の頭をわしゃわしゃと撫でた。
あぁ、やっぱり私、圭のことが好き。