澪ちゃん恋をする
「…好きだよ」
えっ?本当に?
圭は私を好き?
そう思って顔を上げた。
けれど……
「好きだけど…。仁菜はそういう好き…じゃない」
「え?」
ど、どういうこと?
私が圭を見ると圭は私から目をそらした。
「仁菜は、昔っから俺の妹みたいなもんなんだ」
妹…?
圭は私のこと、ずっとそう見てたんだ。
な、泣くな…私。
泣くなら家で…。
そう思ってグッと我慢した。
「そ、そっか。そうだよね」
「うん…。だから仁菜の気持ちには、答えられない。ごめん」
たった今、私の初恋が終わった。
それから一緒の高校に入り、今までと変わらない関係を過ごしていた。
気まずくなるかなぁとか思っていたが、圭はそんな気配を感じさせずに今までと変わらず接してくれた。