澪ちゃん恋をする


「澪ちゃん!待ってっ!!」



圭はそう言って佐伯さんを追いかけようとした。



「圭!行かないで!!」



私は圭の腕を掴んで呼び止めた。

そして、聞いた。



「圭は、佐伯さんが好きなの?」



そう言うと、圭は私を見て、今まで見たことないような優しく微笑んで言った。



「うん、好きだよ」



そう言って私の手をそっと離して、佐伯さんを追いかけていった。

圭は、佐伯さんが…好き?

昔から一緒にいた私より?

なんとなく私も2人を追いかけて屋上に来た。

そっと覗くと圭と佐伯さんは楽しそうに話していた。

私の中のドロドロがあふれ出す。

渡さない…。

圭は絶対渡さない。

< 141 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop