澪ちゃん恋をする
お願い事 【仁菜side】
2013年6月
私は学校のある場所にやってきた。
そろそろ梅雨になるってこともあって今日もザーザーと雨が降っている。
そんな中、私は今は使っていない卓球部の部室のドアを開けた。
「よう。仁菜じゃねぇか。」
低くて懐かしい声がした。
そう、ここは不良のたまり場。
いくら頭の良い立花にもこういうやつらはいる。
部室の中はタバコの煙が充満していて煙たい。
こんなとこにいたら絶対病気になる。
そんなことを考えながら私は部室を見渡した。
そこには金髪の人やら、刺青をした人やらが7、8人いた。
その中心にいる人物。
田端 良樹(タバタ ヨシキ)はこの不良たちの一番偉いヤツだ。
赤茶色の明るい髪を立たせて、顔は整っている方だと思う。
右耳にピアスが3つ。
そして、左眉に1つ。
私はその良樹君の傍に行った。
「ねぇ、私のお願い聞いて欲しいんだけど」
良樹君は、私の願いならなんでも叶えてくれる。
だから、この男を使って、あの子を地獄へ落とす。
もう這い上がってこられないくらいに。
「ん?お前の頼みなら聞かなきゃならねぇな」
良樹君はある理由から、私には反抗できない。
私は1枚の写真を取り出した。