澪ちゃん恋をする
迫る危機 【澪side】
もうすぐ梅雨が始まる。
窓の外を見ると今にも雨が降ってきそう。
今日は部活がないから、帰りのHRが終わってあたしは帰る支度をしていた。
折りたたみ傘あったっけかなぁと思っていると玲次があたしを呼んだ。
「澪!」
「あっ、玲次帰るよ~」
そう言うと玲次は目の前で手を合わせた。
「澪ごめん!ちょっと生徒会の仕事頼まれちゃってさ、1時間で終わると思うから待ってってくんない?」
「生徒会ならしょうがないよ。いいよ!待ってるね!」
今日は放課後に玲次と買い物に行く約束をしていた。
来週おばさんとおじさんの結婚記念日だから、そのプレゼントを買いに行く予定だったのだ。
「ごめんな!ちょっと待ってってな!」
「うん!」
そう言ってあたしは教室で玲次を待つことになった。
30分くらいして、教室からだんだんと人がいなくなり、あたし一人になった。
ヒマだぁ~と思って机に顔を伏せたとき、廊下の方から声をかけられた。