澪ちゃん恋をする
妹の夢 【田端side】
今日はクリスマスだ。
そこら中でカップルがいちゃついている。
俺もこの日は女と一緒にいた。
さっき会ったばっかりだから、名前も知らねぇ。
2人でホテル街を歩いていると、珍しく父親から電話がかかって来た。
ちっ!今からいいトコなのに。
そう思って俺は電話に出た。
「なんだよ、クソ親父。今いい…」
「良樹!今すぐ帰って来い!」
電話からはすごく焦っている親父の声。
俺は瞬時に感づいた。
「さ、紗枝…か?」
こういうときの勘はよく当たる。
「あぁ。今急に発作が起きてな。すぐ病院に来い」
「わかった」
そう言って携帯を切った。
くっそ。なんだよ。
最近体調よかったじゃねぇか。
そう思っていると横からねっとりした女の声が聞こえた。
「良樹ぃ~?だぁれ?どぉしたのぉ~?」
そう言いながら腰に手を回してくる女の手を払った。
「悪い。俺帰るわ」
そう言って俺は病院へ急いだ。