澪ちゃん恋をする
「…あ…」
高岡先輩もそれを見て目を見開いた。
や、やってしまった~!!!!
「たたた田端さんっっ!!」
「い、いってぇ~」
あたしは急いで、飛んでいった田端さんの元へ駆け寄った。
田端さんは痛そうに頭を押さえながらボソッと言った。
「…お前、まだ男でも勝てるよ…」
玲次が言うようなことを言われてあたしは無意識に田端さんの背中を思い切り叩いた。
すると田端さんが床に突っ伏した。
「いってぇ~!!!」
「ハッ!あ、ごめんなさい!!つい癖で」
そんなあたしと田端さんのやり取りを見ていた先輩が口を開いた。
「あ…えっと…俺、何しに来たんだっけ?」
そう言うと、田端さんはははっと笑いながら起き上がった。
そして、背中をさすりながら準備室から出て行こうとした。
その時、田端さんは入り口にいた先輩の肩を叩いて、何かつぶやいているようだったけれど、その声はあたしには聞こえなかった。