澪ちゃん恋をする
「ここのね、サッカー部にどうしても入りたくて、死ぬ気で勉強したんだ。」
死ぬ気で…。
高岡先輩、本当にサッカー好きなんだな。
そう思っていたら、突然先輩の手があたしの頬に触れた。
いきなりのことであたしの心臓が跳ねた。
「ねぇ、澪ちゃん。運命ってあると思う?」
「え?」
先輩が聞いてきた。
運命?
「俺さ、前に澪ちゃんを助けたとき、名前も全然知らなかったけどまた会える気がしたんだ」
その先輩の言葉にあたしはただ、驚いた。
先輩も、あたしと同じこと思っていたの?
「それでさ、高校に入って、ホントに会えた。その時気づいたんだ」
「…」
そう言うと先輩はあたしを見た。
「俺、この子が好きなのかな~って」
あたしの顔がさらに真っ赤になった。
「…俺…澪ちゃんのこと、好きになっちゃった」
先輩がニコっと笑った。