澪ちゃん恋をする
「お~睨むなよ。」
ちょっとバカにしたような言い方に腹が立つ。
俺は高岡を呼んだ。
「ちょっと来い」
すると高岡は、はいはいと言いながらついてきた。
先輩だからって、この余裕そうな顔、ムカツク。
俺は高岡を澪から見えないところまでつれてきた。
「澪を泣かせたら許さない。もし、泣かせるようなことになったら俺がもらうから」
そう言って高岡をじっと見つめた。
すると高岡は驚いたように目を見開いた。
そして少し微笑んで言った。
「大丈夫。泣かせないから」
その言葉に少し安心した。
けれど、澪にはいろいろある。
特に、絶対に消えてくれない過去が…。
もし、これから高岡が澪を泣かせるようなことがあれば、俺がもらう。
どんなに澪が高岡のことを好きだって言ってもかまわない。
澪を奪い去ろう。
けれど、高岡が澪のことを本当に大事にしてくれるなら…。
澪が高岡のことを本当に好きなら…。
俺は…。
大分時間はかかると思うけど、いつかは…。
諦めよう…。