澪ちゃん恋をする
「澪を泣かせたら許さない。もし、泣かせるようなことになったら俺がもらうから」
第一声がこれ。
俺は正直驚いた。
もっと酷いことを言われると思っていたから。
須藤は、普段は生意気だが本当は優しい。
澪ちゃん関係だからか?
「大丈夫。泣かせないから」
そう言うと、少し安心したような顔を浮かべた。
そして、俺の目を見ながら口を開いた。
「中1の時も、今回も…澪を助けてくれて、ありがとう」
そう言って頭を下げた。
自分の好きなやつを奪った俺に、頭を下げた。
俺には考えられない。
須藤は、誰に対しても、根っからのいいやつなんだ。
そう思ったら須藤から澪ちゃんを奪っていいのか?なんて思った。
でも、やっぱり澪ちゃんは渡せない。
だって本当に好きだから。
須藤とは正々堂々と戦おう。
そう思った。