澪ちゃん恋をする
「で?どうしたの?」
前にも言ったが、こうやって飛びついてきたときはいいことがあった時。
澪があのね、と言いながらあたしの耳元で小さな声で言った。
「あたし、高岡先輩と付き合うことになった」
「えぇーーーーー!!!!!!ぐふっ」
驚いて大声を出したら澪に口を塞がれた。
「ちょっ声大きいよぉ」
いや、そんなこと言ったってなんでいきなりそんなことになったの!?
あたしはそれから澪に昨日の出来事や、中1の時の話も聞いた。
「へぇ、まさかあの時の人が高岡先輩だったなんてねぇ」
「ビックリでしょ?」
澪はとっても嬉しそうに高岡先輩のことを話す。
でも、あたしは内心、玲次が心配だった。
「澪、玲次は?」
いつもは澪と来ているはずなのに。
今日はまだ来ていないみたいだ。
「ん?なんか生徒会の仕事らしいよ?」
澪が玲次の机を見つめながら言った。
「そっか」
きっと玲次はかなり落ち込んでいるはず。
後で玲次を慰めに行ってやろう。
そう思った。