澪ちゃん恋をする


「あたしは、澪にも玲次にも幸せになってほしい」



そう言われて、俺は葉月を見た。

葉月は俺を見ていた。



「諦めないでよ…。あたしは、昔っから玲次を応援してるんだから!」



目に涙を溜めながら言った。

俺は驚いた。

葉月が泣いてるとこなんて今まで見たことがなかった。

男勝りで、強気で、泣いているとこなんて想像も付かなかった。

でもそこまで、俺と、澪のことを思っていてくれたんだ。

そう思ったら嬉しくなった。



「ぷはっ!」



俺はつい噴出してしまった。



「なっ!今笑うとこ!!?」



葉月が怒ったように俺の背中を思い切り叩いた。

イテーよ。

でもおかげで元気が出た。



「サンキューな。葉月のおかげで元気出たよ。大丈夫、俺は諦めないよ。例え、澪が他のやつと結婚することになっても、当日の結婚式のときにさらって行くから」



そう言うと葉月は笑った。



「ふふっ、迷惑」



「だろ?」



そう言って空を見上げたら、青空がすこし覗いていた。

俺の心の中もちょっと晴れた気がした。

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