澪ちゃん恋をする
「…じ?…玲次?」
「あ、何?」
ヤバイ。
ボーっとしてた。
澪が不思議そうに俺を見ていた。
「ボーっとしちゃってどうしたの?もしかして今日が楽しみで寝れなかったとか?」
澪がクスクスと笑った。
その笑顔、俺だけが知ってればいいのに。
「その通り」
俺はそう言って澪の手をギュッと握った。
「えっ!?ちょっと!!」
澪はビックリしたようで、目を見開いた。
「デートの練習なんだから手繋がなきゃ」
そう言って、恋人繋ぎに繋ぎ直した。
俺の心臓がバクバクいっている。
そして、俺の顔も赤いと思う。
水族館の中が暗くてよかった。
「行くぞ」
俺は澪と手を繋いだまま歩き出した。