澪ちゃん恋をする


「あ、お隣の彼氏さんも一緒にどうぞ」



「は?!」



そう言って調教師さんは玲次を指名した。

玲次は鳩が豆鉄砲食らったような顔をしていた。

それを見てあたしは噴出した。



「ざまーみろ」



あたしが小声で言うと玲次はギロっと睨んだ。

結局子供が4人と、あたしと玲次の6人は前のステージに呼ばれた。



「それでは顔を動かさないでこのカメラの方を見て笑っててね」



調教師の人にそう説明をされた。

どうやらカメラで写真を撮ってくれるらしい。

子供たちがどんどん終わっていき、最後にあたしたちの番が来た。

その時、玲次だけ調教師の人に呼ばれた。



「ちょっと彼氏さん、いいですか?」



そう言われてなにか耳打ちされている。

そして肩を叩かれたと思ったら玲次の顔がみるみるうちに赤くなっていった。

どうしたのかな?

なんか言われたのかな?

玲次があたしの隣に来た。



「どうしたの?顔、赤いよ?」



「な、なんでもねぇよ!お前はとにかくカメラを見てればいいんだ!!」



玲次は怒った口調であたしにそう言った。

なんなんだ?そう思って周りを見ると、調教師の人たちがこっちを見てクスクス笑っていた。

え?あたし、なんかおかしいことした?

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