澪ちゃん恋をする
「澪ちゃん先週、ここに男といた?」
「えっ!?」
あたしはビックリして目を見開いた。
ななななんで知ってるの!?
「俺の友達が見たって…」
「…」
そう言いながら先輩は少し視線を落として、自分のコーヒーを見つめた。
そっか。ここは駅の近く。
誰に見られててもおかしくないよね。
あたしは返す言葉が見つからなくて黙った。
「黙ってるってことは、ホント…?」
先輩は悲しそうな顔をあたしに向けた。
そんな顔させたくなかったのに…。
「…ご、ごめん…なさい」
あたしはどうしていいか分からず、ただ謝った。
「ホント…なんだね…。須藤?」
「…は、はい」
そう言うと先輩はさらに悲しそうな顔をした。
あたしはそんな先輩の顔が見られず、ギュっと目をつぶった。
「…2人は付き合ってるの?」
そう聞かれてあたしは必死に首を横に振った。
「ままままままさか!!…ただの幼なじみです」
玲次と付き合ってる?
まさか。ありえない。
先輩はそんなこと思ってたの?