澪ちゃん恋をする
「プッ!!!」
俺は耐え切れなくて噴出した。
「クックック…」
「先輩…?」
澪ちゃんは訳が分からないと言う顔をして俺を見ている。
「ご、ごめん、澪ちゃん…くくくッ」
俺は口元を押さえて笑った。
「まさか、そんなわけとは…くくっ」
だめだ。
笑いが止まらない。
「わ、笑わないでくださいよ…!」
澪ちゃんは必死に俺の笑いを止めようとしている。
でも俺の笑いは収まらない。
「初めてのデートだったし…。それに…」
「それに?」
俺の笑が納まってきた頃、澪ちゃんは泣きそうな顔をしながら言った。
「失敗して先輩に嫌われたくなかったから…いらないって言われたくなかった…」
そんなことを言った澪ちゃんを、俺は愛しいと思った。
こんな純粋な子、他にはいない。
俺ってそうとう澪ちゃんに惚れていると思う。
「…澪ちゃん」
名前を呼ぶと顔を上げた。
少し、瞳に涙が浮かんでいた。