澪ちゃん恋をする

おでこ 【澪side】



お店を出て、いつも先輩が送ってくれるとこまで来た。



「今日は楽しかったです!ありがとうございました!」



「俺の方こそ楽しかったよ」



先輩とのデートはあっという間に終わってしまった。

本当に楽しかったなぁ~。

そう思うとなんとなく寂しくなった。



「じゃあまた明日ね」



「はい、また明日」



あたしは先輩に背を向けて歩き出した。



「澪ちゃん」



ふいに先輩に呼ばれて振り向いた。

するとおでこに柔い感触が…。

チュッと音が鳴ったのを聞いてあたしの顔は茹ダコ…いや、トマトだ。



「ははっ!じゃあね!」



そう言って先輩は走って行った。

あたしはおでこに手を当てて走っていく先輩の後姿を見つめた。

先輩、あたしのおでこにチューした…。

チューした…。

チュー…。

キッス…。



「ひゃ~~!!!!!」



あたしは叫びながら家まで走った。

きっと近所迷惑だったに違いない。

そんなこんなであたしの初デートは終わった。

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