澪ちゃん恋をする
折りたたみ傘 【葉月side】
あたしは澪と高岡先輩のやり取りを見ていた。
あ~そのままにしといたら澪が爆発しそう。
ただでさえ、高岡先輩に抱きしめられていて今にも叫び出しそうだ。
しょうがない、あたしが助け舟を出してやろう。
「高岡先輩、こんにちは~」
あたしが話しかけると、高岡先輩はぱっと澪を離した。
よし、これで安心。
「えっと…キミは澪ちゃんとよく一緒にいる子だよね?」
「辻村葉月です。澪がいつもお世話になってます」
そう自己紹介すると高岡先輩は何か思い出したように手を叩いた。
その表現の仕方、古いと思いますけど…。
そう思っていると高岡先輩はいきなり笑った。
「ははっなるほど。キミね、春斗から最近話が出る子は」
えっ!?どういうこと?
高岡先輩の言葉の意味がよくわからなくて眉を歪めた。
その時、誰かに右肩を掴まれて後ろに引かれた。