澪ちゃん恋をする
「はい、そこまで~!圭、余計なこというなっ!!」
せせせ先輩!!?
あたしの右肩を掴んだのはなんと春斗先輩だった。
あたしの心臓はバクバクと鳴っている。
「ごめんねぇ~葉月ちゃん、こいつの言ったこと忘れて」
そう言ってあたしの目を見た。
目が合った瞬間あたしの緊張はピークに達した。
すぐ隣に先輩の顔があって近いっ!!!
「あっもしかして傘返しに来てくれたの?いつでもよかったのに」
あたしの持っている折り畳み傘が目に入ったのか、先輩がそう言ってくれた。
「あっいっいえ!あの、ありがとうございました!」
あたしは先輩に傘を返した。
「はい、確かに受け取りました。じゃあまたね、葉月ちゃん」
そう言って先輩は右手で傘を受け取って、左手で高岡先輩の首根っこを掴んだ。
「ちょっ!春斗!!」
「次は体育だからな、着替えに行くぞ~」
高岡先輩は春斗先輩に引きずられていった。
あの2人は本当に仲が良さそうだった。
「澪、うちらも教室戻ろうか」
「うん!そうだね」
そして、あたしたちも教室に戻った。