澪ちゃん恋をする
「まじ!?葉月ちゃんいるの?」
そう言って春斗は葉月ちゃんに手を振っていた。
コイツもそうとう葉月ちゃんのことが好きなんだな。
そう思っていると春斗は俺を見た。
「俺さ、今度の祭りのとき、葉月ちゃんに告ろうと思う」
そう言った春斗の目はめずらしく真剣だった。
俺はつい笑ってしまった。
「ククッ。もしフラれたら慰めてやるよ」
そう言うと春斗は俺の背中をバシっと叩いた。
さっきよりもさらに強くて、俺の背中にはくっきりと手形が付いたと思った。
俺の目には2人とも両思いに見えるけどな。
そう思いながらもう一度澪ちゃんを見た。
するとなにやら上を見て誰かと話していた。
2階の渡り廊下には須藤がいた。
また須藤か。
そう思って2人を見ていた。
そして澪ちゃんは玲次を追いかけるように走って行った。
俺はただ、遠くからその光景を見ていた。