澪ちゃん恋をする


澪ちゃんが行った後、私はキッチンの机で家計簿を書いていた。

するとしばらくして、2階から私の息子が降りてきた。



「母さん、腹減った」



そう言いながら冷蔵庫を開けて麦茶を取り出した。



「そこにシュークリーム入ってるわよ」



私がそう言うと玲次は冷蔵庫の中をチラッと見た。



「甘いもんかよ~」



そう言って冷蔵庫を閉じて、テーブルの上にあったお昼の残りのエビフライを摘んで食
べた。

それを見ながら私は書いていたペンを置いて言った。



「甘いもの好きな子の方が女の子にモテるわよ~」



「絶対そんなことねぇ」



玲次が座って2本目のエビフライに手を伸ばして口に入れた。



「だから澪ちゃん、他の子に取られちゃったんじゃない」



私がそう言うと玲次はむせた。

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