澪ちゃん恋をする
「ゴホっ!な、なんで母さん知ってんだよ!?ゴホホッ!」
私は立ち上がって水道のところに行き、コップに水を入れて玲次に渡した。
「さっき浴衣を着せてあげてるときに聞いたのよ」
「…そうかよ」
コップの水をゴクゴク飲みながら、玲次は寂しそうな顔をした。
そうよね。
あんなに大事にしてきたのに、パッと現れた人に取られちゃったんだもの。
そう思ったとき、私はいいことを思いついた。
ニヤリ。
「なんだよ?その顔は」
玲次は空になったコップを置きながらそう言った。
おっといけない。
顔に出てしまった。
「ふふふ~なんでもないわ♪さぁ、買い物行ってきましょ」
私はそう言って、カバンを持った。
澪ちゃんにも幸せになってほしいけど、うちも息子も同じように幸せになってほしい。
そう思いながら私の計画はちゃくちゃくと進んでいった。