澪ちゃん恋をする


「まぁ、他の男と住んでるなんて聞いたら、俺だったらいい気分ではないな」



「そういうもんなのかな?」



俺がそう言うと澪の表情が少し暗くなった気がした。



「そ、それに、こんなイケメンの俺と住んでるなんて聞いたら高岡のヤツ逃げてくぜぜ!!」



俺は澪を笑わせようとして言った。

すると澪は俺になんとも言えない目線を送ってきた。



「…ナルシ…」



澪はボソっと呟いて、窓の外に目線を戻した。



「おい!俺はホントのことを言っただけだ!!」



『まもなく~三好駅~三好駅です。お降りのお客様は…』



そこでタイミングよく、電車のアナウンスが流れた。



「あ、着いた。降りるよ」



そう言って澪は大きな荷物を持って降りようとした。



「ま、待てよ」



俺も急いで自分の荷物を持って立ち上がった。

そして、澪から荷物を乱暴に奪って改札に向かった。

後ろから小さく『ありがと』って聞こえたけど、俺は無視して歩いた。

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