澪ちゃん恋をする
「それにしてもみぃちゃんは一段と美人さんになったなぁ。玲次にはもったいないくらいに」
おじいちゃんがそう言ったと同時に、隣で寝ていた玲次が飛び起きた。
「じじじじじじいちゃん!何言ってんだよ!!」
玲次には珍しく、カナリ焦ってる。
「ほっほっほ。こりゃ口が滑ってしまった。すまん」
なにやら玲次とおじいちゃんがこそこそ話をしてるが、あたしにはよくわからなかっ
た。
その時、カランカランと氷の涼しい音を立てながらおばあちゃんが来た。
「それより暑かったろう。冷たい麦茶と、ほれ、アイス買っておいたよ」
そう言いながらおばあちゃんが机の上に麦茶を置いてくれた。
「やったぁ!もちろんスイカバーだよな!」
目をキラキラさせている玲次を見て思った。
あ~玲次って昔からスイカバー好きだったもんね。
昔、近所のスーパーが冬になったからスイカバーを置くのを止めた時、玲次ったら店長の家まで行って怒ってたからね。
それからそこのスーパーでは年がら年中売ってくれている。
あそこの店長はホントに良い人だと思う。
「そうじゃよ。あたり前田のクラッカーじゃ」
「「…」」
おじいちゃんがそんなジョークを言ったのを聞いて、やっぱり、おじさんのお父さんなんだなと思った。