澪ちゃん恋をする
そう思っているとじいちゃんが俺の方に寄ってきた。
「それにしても玲次はまだ1匹も釣っとらんじゃないか」
じいちゃんが笑いながら言ってきた。
む、むむむ。
俺は図星をつかれて内心焦っていた。
「お、俺は数じゃなくて大物を釣るために粘ってんだ!」
俺はムキになってそう言った。
「ホントは釣れなくて悔しいくせに」
じいちゃんの後ろからひょこっと顔を出して俺を見てニヤニヤしている澪が目に付いた。
俺はかなりムカっと来た。
「なんだと!?じゃあどっちが大物釣るか勝負だ!」
「ふんっ!望むところよ!!」
いつものように俺と澪の喧嘩が始まった。
でも今回は喧嘩というより勝負だな。
「じゃあ負けた方が勝った方の言うことなんでも1つ聞くこと」
俺がそう言うと澪はあっかんべーをした。
その仕草に不覚にもドキっとしてしまう。
「いいよ!へへん、玲次になんて負ける気しないし」
「お、俺もだし!」
じいちゃんがニコニコしながら俺と澪のやり取りを見ていた。
「ほっほっほ。それじゃ勝負は今から2時間。大きい方を釣ったほうが勝ちじゃ。」
じいちゃんの合図とともに、勝負が始まった。