澪ちゃん恋をする
じいちゃんとばあちゃんの過去 【玲次side】
夕飯はやっぱりアユの塩焼きだった。
新鮮だからうまい。
とくにばあちゃんの魚に振る塩加減が絶妙だ。
そして、夕飯を食べた後、俺はじいちゃんと縁側で星を見ていた。
澪はばあちゃんと皿洗いをしている。
さっき食べた佃煮がおいしかったらしくて、ばあちゃんに作り方を聞いている声が台所から聞こえる。
「玲次…」
いきなり隣からじいちゃんが話しかけてきた。
「ん?なんだよ」
俺はそう言って縁側に寝転がった。
じいちゃんは星を見ながら言った。
「みぃちゃん、美人さんになったな」
「…あぁ」
俺もそう思う。
昔も可愛かったが、高校に入って一気に大人っぽくなった。
きっと、高岡の影響もあるんだろう。
そう思ったらズキンを胸が痛くなった。
「早くしないと、他のヤツに取られてしまうぞ」
「…」
それを見計らったかのようにじいちゃんが言ってきた。
俺はなにも言えなかった。