澪ちゃん恋をする
全く反省の色が見えないその言い方にあたしはムカついていた。
なんだよ、その語尾の『♪』は!?
「今日食べようと思って残してあったのに~!!」
「残しておくヤツが悪…痛っ!!!」
玲次の後ろからぬうっと影が現れたと思ったらゴツン、とすごい音がしてヤツがあたしの視界から消えた。
視線を落とすと、頭を押さえてうずくまっていた。
「コラっ!もう中学生でしょ!?ドーナツくらいで喧嘩しないの!!」
「か、母さん、いてぇよ…」
玲次の母、登場である。
あたしも何回か、このゲンコツを受けたことがあるからその痛さは十分わかる。
だから玲次もあたしも、おばさんには口出しできない。