澪ちゃん恋をする
俺にしとけよ 【玲次side】
澪が俺たちに心配かけないように寝たフリをしているのは知っていた。
何年一緒にいると思ってんだ。
澪の寝たフリくらいすぐに見破れる。
たまーに、俺の部屋にまで聞こえてくる澪のうめき声。
そうすると俺は澪の部屋に行って澪の手を握るんだ。
きっとあのときの夢でも見ているんだろう。
澪が落ち着くまで澪の名前を呼ぶ。
「…寝れないときは、俺の部屋に来い」
そう言うと澪は笑って言った。
「え~夜なんかに行ったら玲次に襲われそうだし」
たしかに、襲わないっていう自信はないな。
そう思ってもわざと思ってもないことを言う。
「誰がこんなブス襲うか!」
「ひっど~い」
澪が笑いながらそういうのを聞いて俺も笑った。
「…でも」
「ん?」
澪の声のトーンが変わった。