澪ちゃん恋をする
また来るね 【澪side】
「またいつでもおいで」
おばあちゃんがあたしの気に入った佃煮を、タッパー入れて持たせてくれた。
「今度は父さんたちも連れてくるな!」
「2人とも元気でね!また来るね!!」
1泊2日のあっという間の旅行だった。
夏休み最後の、最高の思い出が出来たな。
「みぃちゃん、玲次のことよろしくな」
おじいちゃんがそう言ってあたしの背中を優しく叩いた。
「まかせて!ちゃんと真面目に育てるから!」
あたしも自分の胸を叩いて自信満々に言った。
「おい、それ逆だろ!?俺が育ててるんだろ?」
そう言った玲次とまたもや喧嘩になろうとしたとき、おばあちゃんがそれを止めた。
「ほら、ケンカしないの。気をつけて帰るのよ」
おばあちゃんはニコニコしながら言った。
「うん!じゃあバイバーイ!」
「またな!」
おばさんに騙されて行ったようなものだったけれど、ここに来れてよかった。
あたしの高校初の夏休みが終わった。