澪ちゃん恋をする
謎の女 【澪side】
今日は珍しく部活で遅くなった。
部活にも当番があって、最後の元栓のチェックなどはその当番がやるのだ。
いつもは葉月とやっているけど、今日は葉月は風邪で学校を休んでいた。
帰りに葉月の家寄って、今日作ったゼリーを置いていってあげよう。
そう思って正門の方を見た。
するとそこに圭先輩がいた。
あっ!先輩だ!!
「せんぱ……」
そこまで呼んであたしの声は止まった。
「圭」
「サキ…なんだよ。ここ学校だぞ?」
視線の先にはこの前先輩と一緒にいた女の人がいた。
「いいじゃない。ご飯食べ行きましょ」
先輩は少し考えた仕草をしたあとにいっと笑った。
あたしに見せないような意地悪そうな笑顔で。
「じゃあ、ケーキが美味しいとこ」
「りょーかい!」
そしてその女の人の運転する車に乗り込んで先輩は行ってしまった。
それからあたしはどうやって家まで帰ってきたかあまり覚えてない。