澪ちゃん恋をする
「…でも、怖い。お前は…もういらないって言われるのが…怖い…」
あたしは無意識に右手で自分の左手ををギュッと握った。
爪のあとが残りそうなほど強く。
すると、玲次がそっとあたしの手に触れた。
「澪、よく聞け。みんなお前が必要なんだ。父さんも母さんもじいちゃんばあちゃんも高岡も、そして俺も。お前がいてくれなきゃ困る」
そう言ってあたしの手を開いて自分の指を絡ませた。
「だからいらないなんて言われない。絶対に。俺が保障する」
玲次の手は魔法の手だと思う。
玲次に触れられると、不安な気持ちもなくなっていく気がする。
「うん。ありがとう」
あたし、聞いてみる。
明日、ちゃんと圭先輩に。