澪ちゃん恋をする


「玲次、咲さんのこと知ってたんだね」



そう言われて俺は、高岡の誤解が解けたんだと気づいた。



「あぁ、有名だったし、一応俺、生徒会だし」



そう、俺は知っていた。

高岡の姉貴が去年の生徒会長だってことを。

昨日澪に『サキ』って聞いたときにピンと来た。

前に1度、立花の生徒会に顔を出してくれたことがある。

確かに、美人で、スタイルも良くて、これじゃ有名にもなるわけだなと納得した。



「あーあ。あんな美人なお姉さんがいるなんて全然知らなかったよ!」



そう言って澪は俺のベッドの横に伏せて置いてあった漫画を手にしてパラパラとめくった。



「知らない人の方が少ないと思うけどな」



「まじ!?」



パタンと漫画を閉じた。

あ、それ俺の読みかけだったのに。

あとでまたそのページ探さないと、と考えながら口を開いた。



「まぁ、高岡と仲直りできたみたいでよかったじゃん」



俺はそう言って澪の頭を撫でた。

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