澪ちゃん恋をする
「こんな時間ってまだ夕飯前じゃん!」
そう言っているのに玲次はあたしの背中をグイグイと押して部屋から追い出そうとする。
「じゃあ夕飯になったら呼びに来てくれ。よろしく!」
あたしの背中をポーンと押した。
その勢いがあまりに強すぎて、あたしは顔面を壁にぶつけそうになった。
まったく、玲次は昔っから照れたりすると部屋から追い出す癖がある。
あたしは振り返って玲次を見た。
「ありがとね、玲次」
そう言うと玲次は柔く笑った。
そしてドアがガチャリと閉まった。
「…忘れられるわけ…ないよ…」
ボソッと言ったあたしの一言に、心臓がギュッとした。
なんでか、わからなかったけれど。