澪ちゃん恋をする
10章 澪ちゃんの謎
風邪 【玲次side】
2013年10月
「ぶえっくしゅんっっ!!」
夏から秋になるこの時期は風邪が流行る季節だ。
その時、俺は見事に風邪を引いていた。
「玲次、大丈夫?」
いつものように学校に行こうとしていると、澪が話しかけてきた。
「だいぞ~ぶだいぞ~ぶ。ズズズ~」
鼻をすすりながら俺は靴を履いた。
マスクをしているから鼻水が垂れていても気にならない。
マスクを発明した人は天才だ。
「大丈夫じゃなさそう。学校休んだら?」
澪が気にかけてくれているけれど、今日はどうしても行かなきゃいけないんだ。
「いや、今日生徒会で大事な会議があるんだ。だから行かないと…」
そう言って俺は立ち上がった。
ちょっとフラフラするけど、大丈夫だろう。